日本のロックシーンを語る上で、フェルナンデス(FERNANDES)の名を外すことはできません。
布袋寅泰さんやhideさんといった伝説的なギタリストが愛用し、多くの若者がその背中を追ってこのブランドのギターを手にしました。
この記事では、フェルナンデスの魅力や評判、さらには2024年の大きなニュースを踏まえた今の選び方を具体的に解説します。
これからギターを始める方も、懐かしの名機を探している方も、自分にぴったりの1本を見つけるヒントにしてくださいね。
フェルナンデスギターはどんなブランド?基本のポイント
フェルナンデスは1969年に創業した、日本を代表する老舗のギターメーカーです。
単なる楽器メーカーにとどまらず、アーティストと共に新しい音を作り上げてきた「ロックの相棒」のような存在として親しまれてきました。
一方で、2024年7月に会社が破産手続きに入ったというニュースは、多くのファンに衝撃を与えました。
しかし、ブランドの灯が消えたわけではなく、今でも中古市場を中心にその精度の高さや独特のキャラクターが再評価されています。
日本のロックシーンを支えてきた老舗の歴史
フェルナンデスは、海外ブランドのコピーモデルから始まり、やがて独自のアイデアで世界を驚かせる存在になりました。
特に80年代から90年代にかけては、テレビや雑誌で見かける人気ギタリストの多くがこのブランドを手にしていたものです。
日本の音楽文化と密接に関わってきたからこそ、日本人の好みやプレイスタイルを熟知した設計がなされています。
半世紀以上にわたる歴史の中で培われた技術力は、今でも手にする人に確かな安心感を与えてくれます。
初心者でも手に取りやすい価格帯のラインナップ
フェルナンデスの大きな強みは、数万円から買える入門モデルが非常に充実していたことです。
ギター本体だけでなく、アンプや弦がセットになった「スターターセット」を最初に買ったという人も少なくありません。
安いからといって作りが雑なわけではなく、弾きやすさを重視した設計が徹底されています。
これからギターを始める人にとって、挫折せずに練習を続けられる「最初の一歩」を支えてきたブランドと言えます。
Burnyブランドで展開するレスポール系の魅力
フェルナンデスは、ブランド名を使い分けることで幅広いニーズに応えてきました。
「Burny(バーニー)」という名前で出されているレスポールタイプのギターは、その再現度の高さで中級者からも支持されています。
本家ギブソンには手が届かなくても、バーニーなら本格的な重厚サウンドを味わえるのが魅力です。
中古市場でも「バーニーのレスポールなら間違いない」と言われるほど、木工の精度には定評があります。
プロから初心者まで愛されるフェルナンデスの武器
フェルナンデスが他のメーカーと一線を画しているのは、守りに入らない「攻めの姿勢」です。
誰が見ても一目でそれと分かるデザインや、他のギターにはない特殊な機能を次々と世に送り出してきました。
特に「見た目のインパクト」と「最新テクノロジー」の融合は、このブランドの象徴とも言えます。
ここでは、プロがステージで選び、初心者が一目惚れするフェルナンデスならではの3つの武器を紹介します。
ライブで圧倒的に目立つ唯一無二のデザイン
布袋寅泰さんの幾何学模様やhideさんのハート柄など、フェルナンデスのギターはとにかく派手で個性的です。
ステージの上で映えることを前提に作られているため、持っているだけで主役になれるパワーがあります。
単なる色使いだけでなく、ボディの形そのものが独創的なモデルも多く存在します。
「人と違うギターを持ちたい」「ステージで自分を表現したい」という願いを、最も叶えてくれるブランドです。
世界中のプロを驚かせた独自のサスティナー機能
フェルナンデスを語る上で欠かせないのが、音を無限に伸ばし続ける「サスティナー」という装置です。
弦を電気の力で強制的に振動させる仕組みで、指を離さない限り音が止まることはありません。
これは海外の超有名ギタリストも驚き、こぞって自分のギターに組み込んだほどの画期的な発明でした。
これ1台あるだけで、バイオリンのような滑らかな音や、幻想的な空間演出が自由自在になります。
小さな巨人!ZO-3シリーズの圧倒的な手軽さ
アンプやスピーカーがギター本体に内蔵された「ZO-3(ゾーさん)」は、世界で最も売れたミニギターの一つです。
その名の通りゾウの形をした愛らしいルックスは、楽器という枠を超えて多くの人に愛されました。
どこでもすぐに音が出せる手軽さは、練習用としてだけでなく、キャンプやパーティーでも大活躍します。
小さな見た目に反してしっかりとした本格的な音が鳴るため、大人の遊び道具としても最高です。
フェルナンデスギターの評判を左右するサスティナーとは
フェルナンデスの代名詞とも言えるサスティナーは、多くのギタリストにとって憧れの機能です。
しかし、特殊な装置であるがゆえに「使いこなすのが難しそう」という声があるのも事実。
サスティナーが搭載されていることで、ギターの評判は「魔法の楽器」にも「扱いにくい機材」にもなり得ます。
ここでは、その不思議な仕組みと、長く愛用するために知っておきたい注意点を分かりやすくお伝えします。
弦を振動させ続けて音を無限に伸ばす仕組み
通常のギターは弦を弾いた後に音が減衰していきますが、サスティナーは磁力で弦を揺らし続けます。
スイッチを入れるだけで、ロングトーンがどこまでも続く快感は、一度味わうと病みつきになります。
さらに「ハーモニクスモード」に切り替えれば、フィードバック音のような高い音を強制的に出すことも可能。
エフェクターを使わなくても、手元のスイッチだけで音をコントロールできるのが最大の魅力です。
ギターソロに劇的な変化を加える操作のコツ
サスティナーを使うときは、指を弦にそっと添えるだけで音が鳴り続けるため、独特のタッチが求められます。
激しく弾くのではなく、音を「置いていく」ような感覚で弾くのが、きれいに鳴らすポイントです。
音が止まらない性質を利用して、タッピング奏法などと組み合わせると、非常にテクニカルな演奏が楽しめます。
自分のアイデア次第で、従来のギターの常識を覆すような新しいフレーズを次々と生み出せます。
バッテリーの消耗やメンテナンスで気をつける点
サスティナーは電気を大量に使うため、9Vの角型電池が必須です。
電池が切れるとサスティナーが動かないだけでなく、モデルによってはギターの音自体が出なくなることもあります。
また、電子回路が複雑なため、不具合が起きた際の修理には専門的な知識が必要です。
「常に予備の電池を持ち歩く」「練習後はケーブルを抜く」という基本的な管理が、快適に使うコツになります。
初心者がフェルナンデスのギターを選ぶメリット
「これからギターを始めたいけれど、フェルナンデスってどうなの?」という疑問を持つ方は多いはずです。
結論から言えば、日本人の初心者にとってフェルナンデスは、非常に理にかなった選択肢になります。
長い間、日本の若者のためにギターを作り続けてきたブランドだからこその工夫が随所に凝らされているからです。
手の大きさや体格を気にせず、誰でもギターを楽しめるように考えられた3つのメリットを見ていきましょう。
日本人の手に馴染むネックの握りやすさ
海外ブランドのギターは、手が大きな欧米人に合わせてネックが太めに作られていることがよくあります。
その点、フェルナンデスは日本人の平均的な手のサイズを基準に、スリムで握りやすいネックを採用しています。
Fコードなどの難しい形も、ネックが細ければ指が届きやすく、挫折するリスクを減らせます。
「ギターは手が大きくないと弾けない」という不安を、その弾き心地で解消してくれるはずです。
憧れのアーティストモデルを中古予算で探す
フェルナンデスは、布袋さんやhideさんなどのモデルを、幅広い価格帯で展開していました。
かつて数十万円したプロ仕様の設計を受け継いだモデルが、今は中古で手頃に見つかることもあります。
好きなアーティストと同じ形のギターで練習するのは、上達への一番の近道です。
憧れのヒーローと同じ視界で練習できる喜びは、何物にも代えがたいモチベーションになります。
故障が少なく長く使い続けられる精度の高さ
フェルナンデスのギターは、量産品であっても木工の工作精度が非常に高いことで知られています。
ネックが反りにくく、チューニングも安定しやすいため、メンテナンスに不慣れな初心者でも安心です。
特に80年代から90年代のモデルは、今でも現役でバリバリ動く個体が数多く存在します。
一度手に入れれば、基本を覚えるだけでなく、中級者になってもずっと頼れる相棒になってくれます。
伝説のアーティストたちが使用した名機を紹介
フェルナンデスの歴史は、日本のロックレジェンドたちの歴史そのものと言っても過言ではありません。
彼らのために作られたシグネチャーモデルは、今や一つの文化として確立されています。
「あの音が欲しい」と思った時、その形を選ぶことは非常に正しいアプローチです。
数あるラインナップの中でも、特に歴史的価値が高く、今でも絶大な人気を誇る3つのモデルをご紹介します。
布袋寅泰モデル(TE-HT)の幾何学デザイン
通称「ギタリズム柄」と呼ばれるこのモデルは、白黒の複雑なラインが描かれたテレキャスタータイプです。
布袋さんのファンでなくても、このデザインを見たことがないというギタリストはいないでしょう。
単なる見た目だけでなく、切れ味鋭いカッティングを出すための工夫が詰め込まれています。
ジャキッとしたクリアな音を求めるなら、このモデルの持つポテンシャルは計り知れません。
hideモデル(MGシリーズ)の鮮やかなルックス
X JAPANのhideさんが愛用した「モッキンバード」シェイプは、フェルナンデスの代名詞です。
チェリーサンバーストや、派手なハートが描かれた「イエローハート」は、今でも再販を望む声が絶えません。
独特なスイッチ類やサスティナーを搭載したモデルもあり、hideさんの多彩なサウンドを再現できます。
持っているだけでハッピーな気持ちになれる、ギターの楽しさが凝縮された名機です。
BUCK-TICK今井寿モデルの独創的なシェイプ
今井寿さんが使用するギターは、もはや「芸術品」と呼べるような奇抜な形をしています。
左右非対称のボディや、近未来的なカラーリングは、フェルナンデスの自由な発想を象徴しています。
他人と絶対に被りたくないギタリストにとって、これほど魅力的な選択肢はありません。
独創的なルックスとは裏腹に、弾きやすさもしっかり計算されており、実用性も兼ね備えています。
中古でフェルナンデスを購入する際の目安
2024年のニュース以降、フェルナンデスの新品を手に入れるのは非常に難しくなっています。
そのため、これからは中古市場から自分に合った1本を探し出すスキルが重要になります。
古いモデルの中には、今の新品ギターよりも贅沢な素材を使っている「お宝」が眠っていることも。
失敗しない買い物をするために、チェックすべきポイントをわかりやすくまとめました。
| チェック項目 | 確認するポイント |
| 製造国 | 「MADE IN JAPAN」の刻印があれば品質が高い証拠 |
| ネックの状態 | 弦を張った状態で、フレットとの隙間が1mm〜2mm程度か |
| トラスロッド | ネックの反りを直すネジに回せる余裕があるか |
| 電装系 | アンプに繋いだ時、バリバリというノイズ(ガリ)が出ないか |
| サスティナー | 電池を新しくして、音が無限に伸びるか確認する |
日本製(ジャパンヴィンテージ)の品質を見分ける
80年代から90年代にかけて日本で作られたフェルナンデスは、今や世界中で高く評価されています。
ヘッドの裏やネックの付け根に「MADE IN JAPAN」とあれば、それは職人の手による精密な1本です。
当時は今よりも良質な木材が豊富にあったため、驚くほど良い鳴りをする個体が見つかることもあります。
古いからダメではなく、古いからこそ良いという価値観で探してみるのが中古選びのコツです。
ネックの反りやトラスロッドの余裕を確認する
中古ギターを買う時に最も怖いのが、ネックが曲がって直せない「致命的な故障」です。
ネックの反りを調整するネジ(トラスロッド)が、まだ回せる状態にあるかを確認しましょう。
もしネジが限界まで回されていると、それ以上ネックを直すことができず、弾きにくいままになります。
「トラスロッドに余裕あり」と記載されている個体を選ぶのが、中古購入の鉄則です。
特殊な電子パーツが動くか入念にチェックする
サスティナー搭載モデルを買う場合は、必ず電池を入れて全てのスイッチが正しく動くか試してください。
専用のパーツを使っているため、壊れていると修理代が高額になったり、部品が手に入らなかったりします。
全ての弦で音が均等に伸びるか、モード切り替えはスムーズかをチェックしましょう。
電気的な部分は見た目では分からないため、音出し確認を丁寧に行うことが大切です。
2024年の破産手続き開始による影響と今後の修理
2024年7月にフェルナンデスが破産手続きを開始したことで、不安を感じているオーナーも多いはずです。
「もう二度と直せないのでは?」「部品が手に入らなくなるのでは?」という心配も無理はありません。
しかし、冷静に対処すれば、これからもフェルナンデスのギターを愛用し続けることは可能です。
現状で分かっている影響と、これからどう向き合っていくべきかの現実的なアドバイスをお伝えします。
サスティナー専用部品の入手が難しくなるリスク
サスティナーはフェルナンデス独自の特許パーツを多く使っているため、今後新品の部品調達は難しくなります。
もし基板や専用ピックアップが壊れてしまうと、修理が困難になる可能性は否定できません。
大切に使うのはもちろんですが、不調を感じたら早めに修理の相談をすることが重要です。
手元のサスティナー搭載モデルは、これまで以上に希少な財産になると考えてください。
一般的なメンテナンスは近隣の楽器店で受けられる
会社が無くなっても、ギターとしての基本的な構造(木工やフレット、配線など)は他社と同じです。
弦高調整やネックの反り、ボリュームのガリといった一般的な修理は、どこの楽器店でも受け付けてくれます。
フェルナンデス専用の窓口がなくても、腕の良いリペアマンがいれば、ギターの寿命はいくらでも伸ばせます。
過度に心配せず、信頼できる地元のショップを見つけておくことが、これからのオーナーの心得です。
中古市場での価格変動や希少価値の上がり方
生産が止まったことで、程度の良いフェルナンデス、特に人気アーティストモデルは価格が上がっています。
かつては「安くて良い国産品」でしたが、今後は「手に入らない貴重な名機」へと評価が変わりつつあります。
もし欲しいモデルが市場に出ているなら、今のうちに手に入れておくのが賢明かもしれません。
フェルナンデスというブランドが持つ歴史的な重みは、これからさらに増していくはずです。
フェルナンデスのギターが向いている人の特徴
フェルナンデスは、単なる道具としてのギターではなく、「表現者の武器」としての性格が強いブランドです。
そのため、特定のこだわりや目的を持っている人には、これ以上ない最高の選択になります。
自分がどんなギタリストになりたいか、どのようなシーンでギターを弾きたいかを想像してみてください。
以下の特徴に当てはまるなら、あなたはフェルナンデスを持つべき運命にあると言えるでしょう。
ライブで派手に目立ちたいパフォーマンス重視派
ジャズを静かに弾くよりも、大音量のバンドでステージの端から端まで暴れ回りたい人にぴったりです。
そのルックスは照明を浴びた時に最も輝き、観客の視線を一瞬で奪ってくれます。
「ギターは見た目が10割」と断言できるほど、デザインに惚れ込んだなら迷う必要はありません。
あなたが主役になるための演出を、フェルナンデスは全力でサポートしてくれます。
少ない予算で質の良い国産ブランドを選びたい人
中古市場をうまく活用すれば、海外ブランドの入門機と同じ値段で、ワンランク上の国産品が手に入ります。
日本製のギターが持つ丁寧な仕上げは、日々の練習を快適にし、指先の繊細なニュアンスを拾ってくれます。
コスパを重視しつつも、音の質や弾きやすさには妥協したくないという欲張りな方に向いています。
賢く中古を選べる目を持てば、フェルナンデスは最強のパートナーになります。
hideや布袋といった憧れの音を再現したい人
好きなギタリストがフェルナンデスを使っているなら、理屈抜きでそれを選ぶのが上達の近道です。
彼らが使っている特殊なスイッチやピックアップは、その音を出すために開発されたものだからです。
同じ機材を使っているという事実が、練習の辛さを喜びに変えてくれます。
憧れのヒーローの魂が宿ったギターで、あなただけの新しい伝説を始めてください。
まとめ:フェルナンデスギターが語り継がれる理由
フェルナンデスというブランドは、日本のロック黄金時代を共に駆け抜けた「戦友」のような存在です。
2024年の破産という出来事は寂しいニュースですが、彼らが世に送り出した名機の価値が下がるわけではありません。
- 1969年創業、日本のロックシーンを支え続けてきた信頼の老舗
- 布袋寅泰、hideといったレジェンドが認めた、確かな品質と独創的なデザイン
- 音を無限に伸ばせる「サスティナー」など、世界に誇る独自技術を保有
- 日本人の手に合わせた細身のネックで、初心者でも指が届きやすい
- ZO-3などの遊び心あふれるモデルで、ギターの楽しさを広めた功績
- 2024年以降は中古市場がメインになるが、ジャパンヴィンテージとしての評価は高い
- 特殊パーツの修理は注意が必要だが、基本メンテナンスは街の楽器店で可能
たとえメーカーとしての形は変わっても、誰かの部屋で、あるいはライブステージで、フェルナンデスのギターは鳴り続けます。
もしあなたが中古楽器店で、個性的なデザインのフェルナンデスと目が合ったら、ぜひ一度手に取ってみてください。
そこには、日本の職人たちが情熱を込めて作り上げた、唯一無二の「ロックの魂」が宿っているはずですよ。
