エレキギターのピックアップの種類は?自分で音を調整するコツを解説!

「なんだかギターの音がパッとしない」「もっと太い音を出したいけれど、どうすればいいの?」と悩んでいませんか。エレキギターの心臓部とも言えるのが、弦の振動を電気に変える「ピックアップ」です。

ここを変えたり、ちょっと調整したりするだけで、今のギターのまま驚くほど理想の音へ近づけます。

この記事では、ピックアップの主な種類とそれぞれの特徴、さらにプラスドライバー1本でできる音作りの裏技を具体的に紹介します。読み終える頃には、自分のギターから最高に心地よいサウンドを引き出せるようになりますよ。

目次

エレキギターに搭載されるピックアップの主な種類

ピックアップは、一見どれも同じような長方形のパーツに見えますが、中身の構造で音のキャラクターが180度変わります。自分が弾きたい曲のジャンルに合ったものを選ぶことが、上達への近道です。

「ストラトキャスター」や「レスポール」といったギターの名前を聞いたことがあるなら、それらに載っているマイクの正体を知ることで、音作りのモヤモヤがスッキリ晴れます。まずは代表的な4つのタイプを見ていきましょう。

歯切れが良く鋭い音が鳴るシングルコイル

シングルコイルは、細いコイルを1つだけ巻いた最もシンプルな構造のマイクです。フェンダーのストラトキャスターやテレキャスターに載っている、細長い形をしたパーツがこれにあたります。

チャキチャキとした高音の抜けが良く、カッティングや繊細なアルペジオを弾くときに最高に気持ち良い音が鳴ります。 一方で、歪ませすぎると「サー」というノイズが乗りやすい性質がありますが、それも含めてギターらしい生々しさを愛するファンが多い種類です。

ノイズに強くパワフルに歪むハムバッカー

ハムバッカーは、シングルコイルを2つ並べて逆向きに繋ぐことで、余計な雑音を打ち消す仕組みを持っています。ギブソンのレスポールに載っている、大きな金属カバーがついたゴツい見た目のピックアップです。

中低音がドッシリとした太い音が特徴で、激しく歪ませても音が潰れにくく、迫力のあるロックサウンドを作れます。 音の伸び(サステイン)も良いため、泣きのギターソロを弾きたいなら間違いなくこのタイプが最適です。

独特の粘りと太さが魅力のP-90

P-90は、見た目はシングルコイルよりも大きくハムバッカーより少し細い、石鹸のような形のピックアップです。シングルコイルの一種ではありますが、コイルの巻き数が多いため、普通のシングルより音が太く粘りがあります。

シングルの鋭いキレと、ハムバッカーの力強さをいいとこ取りしたような贅沢なサウンドが魅力です。 パンクやブルースを弾く人から絶大な支持を受けており、独特の「いなたい」響きを求めるならこれに決まりです。

形状が特殊なミニハムバッカーやリップスティック

他にも、ハムバッカーを細くしたミニハムバッカーや、口紅のケースのような形をしたリップスティック型などがあります。ミニハムバッカーは通常のハムより少し明るい音がし、リップスティックは中域が削ぎ落とされた涼しげな音が特徴です。

これらは特定のビンテージギターや個性的なモデルに載っていることが多く、他人と被らない音を追求したいギタリストに好まれます。構造が違えば音の粒立ちが変わるため、自分のギターに載っているパーツの形をよく観察してみてください。

電池を使うかどうかで変わる性能の差

ピックアップには、磁石の力だけで発電する「パッシブ」と、9V電池などの力を借りて音を増幅する「アクティブ」の2つの大きな流派があります。

多くのギターは電池不要のパッシブですが、メタルの激しい歪みやノイズのなさを追求するならアクティブも見逃せません。それぞれのメリットを天秤にかけて、自分のプレイスタイルにどちらが合うか考えてみましょう。

繊細な表現が得意なパッシブタイプ

パッシブタイプは、エレキギターの誕生から続く最もポピュラーな方式です。電池を必要とせず、ピッキングの強弱やギター側のボリューム操作に対して、音が非常に素直に反応してくれます。

弾き手のニュアンスがそのまま音に出るため、表現力を磨きたい練習段階のギタリストにはこちらが向いています。 ケーブルが長すぎると音が劣化しやすい弱点はありますが、自然な「木の鳴り」を感じやすいのが最大の長所です。

ノイズレスで強力な音を出すアクティブタイプ

EMGなどのブランドに代表されるアクティブタイプは、ボディの裏側に9V電池を仕込んで動かします。ピックアップ内部にプリアンプを内蔵しているため、出力が非常に大きく、ノイズが極限まで抑えられているのが特徴です。

どれだけ深く歪ませてもノイズが乗らず、タイトで冷徹なサウンドを出せるため、ヘヴィメタルや多弦ギターの演奏で威力を発揮します。 ケーブルを10メートル以上引き回しても音が劣化しないため、大きなステージで動き回るプロにも愛用者が多いです。

電池切れを防ぐための日頃の注意点

アクティブタイプのギターを使っているなら、シールドを挿しっぱなしにしないことが鉄則です。ジャックにプラグを挿している間は、弾いていなくても電池が消費され続けてしまうからです。

練習が終わったら必ずシールドを抜く習慣をつけるだけで、電池の寿命は半年から1年ほど持ちます。 ライブ直前に急に音が小さくなったり歪んだりするのは電池切れのサインなので、予備の電池をケースに忍ばせておくのがスマートな大人の対策です。

ピックアップの高さで音を自分好みに調整するコツ

「今のギターの音、なんだかモコモコして元気がないな」と思ったら、ピックアップの両脇にあるネジを回してみましょう。これだけで、新しいギターを買ったかのように音が激変します。

ピックアップは弦に近づけるか離すかで、拾い上げる電気の量と質が劇的に変わるパーツです。特別な技術はいりません。プラスドライバー1本あれば、自宅のリビングで理想の音色を追い込めます。

弦に近づけて音圧とパワーを稼ぐ方法

ネジを時計回りに締めてピックアップを弦に近づけると、出力が上がってパワフルな音になります。アンプを歪ませたときのノリが良くなり、一音一音に力強さが宿ります。

音が小さくてバンドの中で埋もれてしまうなら、まずはピックアップを1ミリほど持ち上げてみてください。 ただし、近づけすぎると弦の振動が磁力に引っ張られて、不自然なうねり(ウルフノート)が出るので注意が必要です。

弦から離してクリアで綺麗な響きを作る方法

逆にネジを緩めてピックアップをボディ側に沈めると、音量は下がりますが、音の透明感がアップします。弦の振動をゆったりと拾うようになるため、クリーントーンが美しくなり、サステインも自然に伸びるようになります。

ヴィンテージギターのような枯れた、深みのある音を目指すなら、少し離し気味の設定にするのがコツです。 低音が出すぎて音が濁ってしまうときも、低音弦側だけを少し下げることでバランスが整います。

フロントとリアの音量バランスを整える目安

ギターには複数のピックアップがついていることが多いですが、切り替えたときに音量がガクンと変わると演奏しにくいですよね。一般的に、弦の振幅が小さいブリッジ(リア)側を高くし、振幅が大きいネック(フロント)側を低く設定します。

切り替えスイッチをパチパチ動かしながら、どちらのポジションでも同じくらいの音量に聞こえる高さを見つけてください。 これだけで、曲の途中でソロに切り替えるときなどの操作性が格段に良くなります。

弦の振動を邪魔しないギリギリの距離を見極める

ピックアップを高くしすぎると、磁石が弦を吸い寄せてしまい、開放弦を弾いたときに音程がフラフラと不安定になることがあります。これを防ぐため、最終フレットを押さえた状態で、弦とピックアップの間に2ミリから3ミリ程度の隙間を確保するのが一般的です。

以下の表に、標準的な調整の目安をまとめました。迷ったらここを基準に始めてみましょう。

ピックアップ位置低音弦側(目安)高音弦側(目安)
リア (ブリッジ側)2.5 mm2.0 mm
フロント (ネック側)3.5 mm3.0 mm

音色の個性を決めるマグネット素材の違い

ピックアップの中には強力な磁石が入っており、その素材によって音の「味付け」が決まります。見た目では分かりませんが、スペック表などで素材を確認すると、そのギターがどんな音を狙っているのかが一目瞭然です。

代表的な素材は2種類。温かみのあるヴィンテージサウンドを狙うか、キレ味鋭いモダンサウンドを狙うかで選び分けましょう。

ヴィンテージ感のある温かいアルニコ2と5

「アルニコ」は、アルミ、ニッケル、コバルトを混ぜた合金で、昔ながらのギターによく使われる磁石です。アルニコ2は磁力が弱めで甘く太い音、アルニコ5は少し強めでメリハリのある音が特徴です。

ジャズやブルース、往年のクラシックロックを弾きたいなら、アルニコ素材のピックアップが載ったモデルを探しましょう。 ピッキングの強弱に敏感に反応し、弾き手の感情を豊かに表現してくれます。

歪みの乗りが良くモダンなセラミック

セラミックマグネットはアルニコよりも磁力が強く、音が硬くて鋭いのが特徴です。高域がパキッと強調されるため、深い歪みをかけても音がボヤけず、タイトなリズムを刻むのに向いています。

ラウドロックやメタルのように、エフェクターを駆使して激しい音を作りたいならセラミックが最適です。 出力が高いため、アンプをより強力にプッシュして、粘りのあるドライブサウンドを生み出せます。

自分の弾きたいジャンルに合う素材の選び方

素材に正解はありませんが、迷ったら「アルニコ5」を基準にするのが失敗しないコツです。適度なパワーと温かみを両立しており、ポップスからハードロックまで幅広く対応できる万能な素材だからです。

一方で、1音1音のキレやスピード感を最優先するなら、セラミックを選んでみてください。ピックアップの裏側を見れば素材が記載されていることも多いので、買い替えの際は必ずチェックしたい項目です。

憧れの音に近づくための定番ブランドの選び方

今のギターのピックアップを交換してみたいと思ったとき、世界中に星の数ほどあるメーカーの中からどれを選べばいいか途方に暮れますよね。

まずは「世界3大ブランド」と呼ばれる定番を押さえましょう。これらはプロの現場でも標準として使われており、音のサンプル動画も豊富なので、失敗するリスクを最小限に抑えられます。

どんなギターにも馴染むセイモア・ダンカン

セイモア・ダンカン(Seymour Duncan)は、世界で最も有名なピックアップブランドです。ヴィンテージの再現からモダンな高出力タイプまで、あらゆるニーズに応えるラインナップを揃えています。

特に「JB (SH-4)」や「’59 (SH-1)」といった型番は、迷ったときの決定版と言われるほど信頼されています。 初めてのピックアップ交換なら、まずはダンカンの製品から探してみるのが王道です。

パワフルで個性的な音が揃うディマジオ

ディマジオ(DiMarzio)は、ダンカンに並ぶアメリカの巨大ブランドです。どちらかというとモダンで華やかな音作りが得意で、スティーヴ・ヴァイなどのテクニカルなギタリストに愛用されています。

音が派手で抜けが良いため、ソロをバリバリ弾きたい人には特におすすめです。 ギターの見た目を彩るカラフルなカバーのバリエーションが多いのも、ディマジオならではの楽しみですね。

究極のノイズレスを追求するEMG

電池を使うアクティブピックアップの代名詞がEMGです。驚異的なノイズの少なさと、どんなギターに載せても「EMGの音」になる強力な個性が持ち味です。

録音やライブでの扱いやすさは抜群で、多くのメタルギタリストが最終的にここに辿り着きます。 クリアで均一な音が出るため、エフェクターでの音作りをトコトン追求したい人にとって、これ以上ない素材になります。

ピックアップ周りで起きるトラブルと解決のポイント

ギターを弾いていると、変な音がしたりノイズが混じったりすることがあります。その原因の多くはピックアップ周りの小さなトラブルです。

リペアショップに持っていく前に、自分で確認できるチェックポイントを知っておきましょう。意外と簡単なことで、トラブルは解決するものです。

演奏中に「ピー」と鳴るハウリングへの対処

大音量で歪ませたときに「ピー」という高い音が止まらなくなるのは、ピックアップ内部のコイルが振動してしまっているのが原因です。これを「マイクロフォニック・フィードバック」と呼びます。

まずはアンプから距離を置いたり、向きを変えたりするだけで収まることが多いです。 それでも直らない場合は、ピックアップをロウ(ワックス)に浸して固める「ポッティング」という処置が必要になるため、プロに相談しましょう。

弦ごとの音量のバラつきをポールピースで直す

「3弦だけ音が大きく聞こえる」「1弦の音が細い」といった悩みは、ポールピース(金属の突起)の高さ調整で解決できます。ネジ式になっているタイプなら、マイナスドライバーで回して高さを変えられます。

音を大きくしたい弦のポールピースを上げ、下げたい弦のところを下げるだけで、全体のバランスが整います。 コンプレッサーというエフェクターに頼らなくても、指先のコントロールだけで綺麗な粒立ちを作れるようになりますよ。

切り替えスイッチのガリ音を自分でメンテナンスする

ピックアップを切り替えるときに「バリバリ」とノイズが出るのは、スイッチの接点が汚れているサインです。これを放置すると、最悪の場合、音が出なくなってしまいます。

専用の「接点復活剤」をスイッチの隙間に少量吹きかけ、カチカチと数十回動かすだけで、汚れが落ちてガリ音は消えます。 ただし、かけすぎると内部を傷めることもあるので、綿棒などで丁寧につけるのが長持ちさせるコツです。

自分で音を劇的に良くするピックアップの磨き方

音作りは電気的な調整だけではありません。ピックアップの表面を綺麗に保つことも、実はクリアな音を出すために重要な要素です。

汚れやサビがついたままでは、微細な磁力の働きに影響を与えるだけでなく、見た目にも愛着が薄れてしまいます。定期的な掃除を習慣にして、常にベストな状態で弾けるようにしましょう。

金属パーツのサビを専用のクロスで落とす

ハムバッカーのカバーやポールピースは金属なので、手の汗や湿気ですぐに曇ったりサビたりします。これを放置すると、サビが中まで進行して断線の原因になることもあります。

練習が終わるたびに、乾いた柔らかいクロスでサッと拭く。 これだけで金属の輝きが保たれ、精神的にも気持ちよくギターに向き合えます。頑固なサビには、楽器専用の研磨剤を少量使って優しく磨き上げましょう。

ポールピースの汚れが音に与える影響

ポールピースの上にホコリや糸屑が溜まっていると、弦の振動を拾う磁力線が微妙に乱れると言われています。何より、ホコリが湿気を吸うことでパーツの劣化を早めてしまいます。

古い歯ブラシなどを使って、隙間の汚れを定期的に掃き出しましょう。 ほんの些細なことですが、こうした手入れの積み重ねが、ギターの寿命と音の鮮度を守ることに繋がります。

接点復活剤を使って電気信号の流れをスムーズにする

半年に一度くらいは、ジャックやポッドだけでなく、ピックアップの裏側の配線部分(アクセスできる場合)も点検してみましょう。埃が溜まっていないか確認するだけでも十分です。

電気信号の通り道を綺麗にしておくことで、音の曇りが取れて「ヌケ」が良くなります。 難しいことは考えず、常に「清潔な状態」を保つことこそが、最高のメンテナンスなのです。

理想のピックアップへ交換を検討する目安

最後に、今のピックアップを調整しても満足できないときの、交換に踏み切る基準をお伝えします。

ギターの木材自体を買い換えるのは大変ですが、ピックアップなら1万円から2万円程度で交換でき、音の変化は劇的です。自分の成長に合わせて、最適な相棒にアップデートしていきましょう。

今のギターの音にパワーが足りないと感じた時

どれだけアンプの設定をいじっても「音が細い」「迫力がない」と感じるなら、ピックアップの出力が足りていない可能性が高いです。特に安い初心者セットのギターなどは、コスト削減のために出力の低いパーツが使われがちです。

ハイパワーなハムバッカーに交換するだけで、今まで苦労して作っていた歪みが、嘘のように簡単に出せるようになります。 自分の弾きたい曲に対して、ギターのパワーが追いついていないと感じたら、それが交換のタイミングです。

弾き方を変えてもノイズが消えない時の判断

ノイズはエレキギターの宿命ですが、最新のノイズレス・シングルコイルなどに交換すれば、驚くほど静かな演奏環境が手に入ります。特に録音をメインでする人にとって、ノイズのなさは大きなメリットです。

「ノイズが気になって演奏に集中できない」というストレスがあるなら、最新のテクノロジーが詰まったパーツへの交換が正解です。 今の時代、ヴィンテージの音を再現しつつノイズだけを消した、魔法のようなピックアップもたくさん存在します。

プロのリペアショップに依頼する際の費用

ピックアップ交換は自分でもハンダ付けができれば可能ですが、配線を間違えると音が出なかったり、逆にノイズが増えたりすることもあります。自信がないときは、迷わずリペアショップに持ち込みましょう。

工賃の目安は、ピックアップ1個につき3,000円から5,000円程度です。 プロに頼めば、同時に全体のセットアップもしてくれるため、結果として弾きやすさまで向上します。

まとめ:自分の耳を信じてピックアップをいじってみよう

ピックアップは、あなたのギターに魂を吹き込む最も重要なパーツです。種類ごとの個性を知り、適切な調整を施すことで、ギターを買い換えなくても理想の音は必ず手に入ります。

  • 歯切れのシングル、パワーのハム、粘りのP-90。自分のジャンルに合わせて選ぶ。
  • 表現力ならパッシブ、ノイズレスならアクティブを選択する。
  • プラスドライバー1本で、高さを変えて音圧やクリアさを自由にコントロールする。
  • アルニコとセラミックのマグネット特性を理解して、音の硬さを選ぶ。
  • 定番のダンカンやディマジオ、EMGを基準にして失敗を防ぐ。
  • ポールピースの微調整で弦ごとの音量バランスを完璧に整える。
  • 清潔なメンテナンスを心がけ、電気信号の劣化を最小限に抑える。

まずは、自分のギターのピックアップの高さを測り、そこから1ミリだけ近づけたり遠ざけたりしてみませんか。

そのわずかな変化から生まれる「自分だけの音」を見つけたとき、ギターを弾くことが今よりもっと楽しくてたまらなくなるはずですよ。

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この記事を書いた人

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